Column

花咲徳栄(埼玉)編「今年の甲子園制覇を達成した花咲徳栄のつながり!」

2017.09.30


左から大瀧 愛斗、高橋昂也 (花咲徳栄)

 夏の甲子園は2015年から3年連続出場となった今年の花咲徳栄は、ご存知の通り夏の頂点に立った。春は4回、夏は5回の計9回、甲子園の舞台に立った花咲徳栄は、近年ますます優秀な人材をプロ・大学・社会人といったステージに送り込んでいる。そんな花咲徳栄の全国での戦いぶり、卒業生を紹介する。

夏は3年連続出場!そして今年の夏は…。

 花咲徳栄が今年の頂点を獲るまでの軌跡を振り返っていく。まずは2015年の夏。初戦の三沢商を大差で下し、次戦の鶴岡東は一転して1対0の完封勝利。
 そうして迎えた準々決勝は小笠原 慎之介(現・中日)がエースとして君臨した東海大相模との対戦。この日の相手先発・小笠原との2枚看板を組んでいた吉田 凌(現・オリックス)から3点を奪うも、5回途中から登板した小笠原からは得点を奪えず、当時2年だった高橋 昂也が終盤に追いつかれ、9回裏に杉崎 成輝(現・東海大)に左越え二塁打を浴び、悔しいサヨナラ負けを喫した。

 2016年夏は、高橋 昂也が3年生エースとなりチームを牽引。当時2年の西川 愛也は4番に座っていた。
 甲子園の1回戦では大曲工、2回戦では樟南を下し、次の相手は作新学院花咲徳栄はこちらも当時2年だった綱脇 慧が先発するも、序盤に5失点。清水 達也へ継投し、4回からは高橋がマウンドに上がり8回のソロ1本のみに抑えたが、作新学院今井 達也(現・西武)の自慢のカットボールに翻弄され、序盤の得点を返すことが出来ず敗戦。
 ご存知の通り、作新学院はこの後優勝旗を手にすることになる。

 そうして迎えた今年の夏は、埼玉大会決勝でライバル浦和学院を倒し、甲子園出場。前年の甲子園を経験した、綱脇―清水の盤石継投と、「ハンマートレーニング」で鍛え上げた長打力で相手を圧倒。開星日本航空石川前橋育英盛岡大附といった名門校を次々撃破していく。
 準決勝では、西東京大会で日大三早稲田実業を下し、全国の舞台でも上へ駆け上がってきた東海大菅生を、延長にもつれ込む激闘の末に退け、決勝戦進出。そして決勝では甲子園本塁打数記録を更新した、中村 奨成を擁する広陵に引導を渡し、圧巻の優勝を果たした。

 高橋 昂也清水 達也綱脇 慧といった好投手を生み続ける花咲徳栄には、体系化された投手育成メソッドが存在する。(詳しくは野球部訪問へ)このような、独特なトレーニングメニューが花咲徳栄の選手育成の一つの特徴だ。
 例えば野手陣でいえば長打力特化戦略としての「ハンマートレーニング」が話題になったが、投手陣は冬に専用の朝練メニューが課される。
 朝6時から、土が凍ったグラウンドで、手押し車でダイヤモンドを周回したり、これもまた独自メニューの「綱のぼり」をしたり、といった基礎トレーニングを行う。厳しかった冬の思い出について清水・綱脇両投手にそれぞれ伺った際、揃ってこの朝練のことを挙げたことが印象的だった。

 そんな厳しい練習を経て全国制覇を成し遂げた彼ら。清水・綱脇・西川の3選手はプロの世界へと足を踏み入れる意志を固めた。実力は十分。10月26日、彼らのもとに吉報が届くことを願いたい。

このペ-ジのトップへ

[page_break:近年の卒業生]

近年の卒業生

 広島に進んだ高橋 昂也や、オリックスには若月 健矢岡崎 大輔。西武には大瀧 愛斗(登録名は 愛斗)と、ますますプロの道に進む選手が増えつつある花咲徳栄。今まで6人の選手を輩出しているが、今年はその数をさらに増やすことになりそうだ。

■2011年卒
佐藤 卓也東北福祉大-JFE東日本)

■2012年卒
大塚 健太朗明治大-三菱重工名古屋-オールフロンティア)
北川 大翔創価大

■2013年卒
高橋 航雅創価大

■2014年卒
関口 明大青山学院大-徳島インディゴソックス)
楠本 泰史東北福祉大
若月 健矢(オリックス・バファローズ)

■2015年卒
井上 祐太中部学院大
高杯 翼中部学院大

■2016年卒
太田幸成上武大
里見治紀東北福祉大
久々宇竜也上武大
大瀧 愛斗(埼玉西武ライオンズ)
笹谷拓海平成国際大
鎌倉 知也 平成国際大

■2017年卒
高橋 昂也(広島東洋カープ)
野本真康(平成国際大)
楠本晃希(東北福祉大)
高橋哉貴(城西国際大)
岡崎 大輔(オリックス・バファローズ)
山本優也金沢学院大


注目記事
2017年秋季大会 特設ページ

このペ-ジのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.03.28

大阪桐蔭、大会NO.1右腕に封じ込まれ、準々決勝敗退!2失策が失点に響く

2024.03.28

中央学院が春夏通じて初4強入り、青森山田の木製バットコンビ猛打賞も届かず

2024.03.28

【センバツ準々決勝】4強決定!星稜が春初、健大高崎は12年ぶり、中央学院は春夏通じて初、報徳学園は2年連続

2024.03.28

健大高崎が「機動破壊」以来、12年ぶり4強、山梨学院は連覇の夢ならず

2024.03.28

星稜・戸田が2安打無四球完封で初4強、阿南光・吉岡はリリーフ好投も無念

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.24

【神奈川】桐光学園、慶應義塾、横浜、東海大相模らが初戦白星<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.23

【東京】日本学園、堀越などが都大会に進出<春季都大会1次予選>

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.25

異例の「社会人野球→大学野球」を選んだ富士大の強打者・高山遼太郎 教員志望も「野球をやっているうちはプロを狙う!」父は広島スカウト

2024.03.08

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.03.11

立教大が卒業生の進路を発表!智弁和歌山出身のエースは三菱重工Eastへ、明石商出身のスラッガーは証券マンに!

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.01

今年も強力な新人が続々入社!【社会人野球部新人一覧】