【センバツ出場校分析】県立松山東高等学校（愛媛）

亀岡 優樹（松山東）

【チーム構成の特徴】

秋季大会登録は20人。その内、新2年生が11人で新3年生の9人を上回る構成となっている。
その内、右投げ左打ちは3人で、残り17人は右投げ右打ち。レギュラー格は2人が左打者。
全選手が愛媛県出身で、その内、学校所在地の松山市出身は11人。国立大学の附属中学卒業が4人おり、その内、2人は附属小学校出身でもある。

【ディフェンス面】
夏もエースだった亀岡 優樹が秋もフル回転、7試合中6試合で完投した。被安打率が8.84で、出場32校の主力投手の中で6番目に高い。良く言えば打たれ強く、悪く言えば、敗れた2試合のように打たれた時は負けパターンということが数字から読み取れる。ただ四国大会出場を決めた愛媛準決勝の新田戦では、バックが3失策したにもかかわらず、6安打無四球で2失点完投。このようなピッチングができれば理想だ。
1試合平均失策1.89は32校の中で最も多くなってしまった。特に愛媛県大会以降は5試合連続で複数の失策をおかしてしまっている。ここは是非とも改善したいところだ。

【オフェンス面】
チーム打率0.269は出場32校中、下から2番目の31位。ただ全59安打に占める長打の割合は28.8%で、こちらは10位にまでジャンプアップする。
1試合平均得点4.29も31位で、平均得失点差0.80は32校で最少。1点差が3試合あるなど、最も接戦をしたチームだと言える。
打線の中では3番・酒井 悠佑が10安打を放ち、打率0.400でチームトップ。続く4番・米田 圭佑の6打点へと繋げた。5番・亀岡 優樹は投手でありながら3盗塁を決めている。
1試合平均三振5.29は32校で6番目に多く、鳴門との四国大会1回戦では11三振を喫してしまった。このあたりにやや課題が見える。

【戦い方から見える傾向】
夏は愛媛大会決勝で惜しくも敗退。エースだった亀岡 優樹など3人が残った新チーム最初の実戦は、8月4日だった。亀岡は7日の宇和島南中等戦で復帰。
12日に中予地区新人大会が始まったが、初戦で延長10回タイブレークの末、敗れてしまう。ただここで羽藤 大晟から亀岡への継投をしており、秋の大会への布石となったと言えるかもしれない。このリレーは9月15日の愛媛三島との練習試合でも実践していた。

9月21日から公式戦では、7試合中6試合を亀岡が完投。大一番は28日準々決勝・愛媛小松戦と見られていたが、その前日の松山北戦で亀岡は11安打6失点と苦しみ、1点差で何とか勝っている。
連戦となった大一番。堀内 準一監督は亀岡ではなく羽藤を先発に立て、亀岡を後ろに残した。羽藤は4回5安打2失点で踏ん張り、亀岡に繋ぐ。大会前に二度だけしかやっていない、羽藤から亀岡へのリレーという戦略が見事に決まり、夏の決勝で敗れた相手にリベンジを果たした。

準決勝を勝って63年ぶりの四国大会出場を決めたが、決勝の今治西戦は13安打5失点で完封負け。四国大会1回戦でも10安打5失点で鳴門に敗れた。終わってみれば、四国の強豪相手に完敗という形で、課題が残った。甲子園ではさらに強い相手に対してどう挑むかに注目である。
公式戦でのコールドゲームと延長は1試合もなかった。これは健大高崎と松山東の2校だけで、1試合平均イニングはもちろん9.00である。