【センバツ出場校分析】木更津総合高等学校（千葉）

鈴木 健矢（木更津総合）

【チーム構成の特徴】

秋季大会登録は25人。その内、5人が右投げ左打ちで、左投げ左打ちは3人いる。レギュラー格は3人が左打者。
千葉県出身は18人。そのうち1人が学校のある木更津市の出身。関東地方以外の出身者は1人。

【ディフェンス面】

投手陣は右の鈴木 健矢と左の早川 隆久を中心に計6人がマウンドに上がった。ただ12試合中、完投が5試合あり、決して継投主体のチームではないことが窺える。
注目は下級生の早川。8試合36イニングで1点も失わず、防御率は0.00。もちろん、32校の主力投手の中でトップの成績である。特に初先発だった千葉大会準々決勝で千葉敬愛を3安打完封した後は、決勝の松戸国際、関東準々決勝の川越東と3試合連続で完封をやってのけた。奪三振率は8.50で、こちらは主力投手の中で7位タイ。数字だけなら末恐ろしい投手だ。

関東大会でエースナンバーだった鈴木は。被安打率3.43が主力投手の中でトップ。千葉大会2回戦では市立松戸を1安打シャットアウトしている。
2投手を中心に、1試合平均被安打5.28は32校の中でトップだった。
1試合平均失策0.35は32校中、3位。これだけでも素晴らしい成績だが、失策を記録したのは関東準決勝以降の2試合だけで、公式戦初戦から10試合連続で無失策を誇っていた。また1試合平均許盗塁0.17は32校中4位となっている。千葉大会準々決勝以降6試合連続で盗塁を許していない。

【オフェンス面】

チーム打率0.282は出場32校中29位。長打の割合が98安打中、16.3%と少ないのが特徴だ。ただ、二塁打より三塁打が多いのが興味深い点で、二塁打は1本もないのに、三塁打だけは打っている選手が4人もいる。

関東準決勝で活躍した下級生の5番・小池 航貴が打率0.425でチームトップ。4番檜村 篤史は17安打を放ち、3番小原 直起は8盗塁を記録した。
チーム全体の1試合平均盗塁は2.34で、これは32校中7位に入っている。

【戦い方から見える傾向】

新チーム最初の実戦は8月2日。非公式戦で投手陣が完投したのは鈴木 健矢の1試合（8月3日・昭和第一戦）しかなく、早川 隆久が千葉県大会で完封したのは、新チームになって初めて1人で投げ切った試合だった。ブロック予選は全て継投で乗り切り、二次予選に回ることなく千葉県大会出場を決めている。この間の1ヵ月で、早川は台頭してきたようだ。
鈴木、早川以外の投手が久々に先発した関東決勝で初めて守備が乱れて完敗した。冬場の課題が明確になった一戦と言えるだろう。
コールドゲームは2試合で1試合あたりの平均イニングは8.67。ただ最初の2試合以外は10試合連続で9回まで戦っている。