佐々木 拳選手 (利府)
寸評
最後の夏は、三番・右翼手として活躍し、チームを宮城大会のベスト4進出に貢献。準々決勝の柴田戦では、ライトスタンドにホームランも放ちました。どの方向にもはじき返せる、幅の広い打撃が持ち味。 (第一印象) リストワークが柔らかく、ボールに合わせるのが上手い選手。そのため対応力は高いのですが、少しボールを強く叩くということに関しては物足りません。上のレベルでの野球を意識するのならば、もう少しスイングに鋭さや強さが必要だと考えます。 (守備・走塁面) 一塁までの塁間を、4.15秒ぐらいで走り抜けるなど、高校生としては俊足。上のレベルの野球でも、平均以上の脚力はありそう。ただ現時点では、足を売りにするというほどの絶対的なものは感じられません。 右翼手としての動きは可も不可もなしといった感じでしたが、スローイングの仕方が悪く制球が安定しないのと、肩が右翼手にしては物足りません。そういった意味では、もう少し守備力を磨く必要があるのではないのでしょうか。 (打撃内容) 左打者には珍しい、クローズスタンスで構えます。早めに始動して来るように、アベレージ打者の傾向が強いタイプ。 <長所> 踏み出した足元が、インパクトの際にブレません。そのため、身体の開きをギリギリまで我慢でき、外角や低めの球にも粘り強く合わせられます。 バットの先端であるヘッドを立てて、外角の球でも上手く拾うことができます。そういったボールを捉えるセンスには、非常に良い物を感じます。 <課題> 学校の指導なのかもしれませんが、クローズドスタンスはあらかじめ三遊間方向へ身体を向けて打つのので、高めの緩い球以外は徹底的に三遊間へはじき返す割り切りが必要です。そうしないと引っ張りにかかった時に、ことごとく引っ掛けてしまう可能性が高いからです。更に少し柔らかいリストワークが、かえってボールをこねてしまう危険性をはらみます。
更新日時:2012.11.26
将来の可能性
ボールを捉えるセンスには良いものを感じますが、その分まだ木製バットで結果を残せるだけの、スイングの強さ・鋭さに物足りないものを感じます。またこの手のアベレージヒッターにしては、守備・走力でさほど光るものはなく、もう少しそういった部分でのアピールが求められて行くと考えられます。今後の進路に関しては存じませんが、大学などでもやって行ける素材だけに、これからも更に志しを高く持って、貪欲にレベルアップを図って欲しいと思います。2012年度の、宮城を代表する好打者だったと思います。
更新日時:2012.11.26
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