島垣 涼太選手 (洲本)

島垣 涼太

球歴:洲本

都道府県:兵庫

ポジション:投手

投打:右 / 左

身長:185.0 cm

体重:62.0 kg

学年:卒業

寸評

 洲本のエース。前評判では最速140キロの直球と切れ味鋭い変化球で勝負する長身右腕として、選抜で彼の投球を見られるのをとても楽しみにしていた。試合前では、荒削りな投手と予想していたが、意外にもキレ味鋭い変化球を武器に、淡々と投球を組み立てる先発タイプの投手だった。鳴門戦では9回まで1失点の好投。延長10回にサヨナラ打を打たれ、初戦敗退を喫したが、全国で、自分のピッチングが出来たことは大きく自信になったことであろう。 (投球スタイル) ストレート 138キロ 常時130キロ~136キロ 縦のスライダー 120キロ前後 フォーク 120キロ前後 カーブ 110キロ前後 ストレートは135キロ前後程度で、140キロをコンスタントに出すタイプではない。ストレートは微妙に動かしており、綺麗なストレートが少ない。これは意図的にストレートを投げなかったのか、それとも投げられないのか分からないが、ストレートを投げないと評価が難しい。やはり投球の根本はストレートであり、勝負出来るストレートは必要だ。 彼の武器は何と言っても強烈な落差を誇る縦のスライダー。フォークのように鋭く落ちるスライダーの落差はよほどの打者ではなければ捉えるのは難しい。 先述した通り、投球内容は丁寧。微妙に動かすストレートを両サイドに丹念に投げ分け、目先を変えるためにカーブを投げて、追い込んでいき、最後は縦に鋭く落ちるスライダーで空振り三振を狙う。横に大きくキレるスライダーのキレも抜群で、終盤ではスライダーで空振り三振を奪うことが出来ていた。  芯がビシッとせず、手足の長い体型を見ると完成形は三上(法政大学―ENEOS)だと思ったが、縦の変化球を自信に持ち、それを多用する投球スタイルは体格・決め球は違えど歳内宏明(聖光学院―阪神)に似通った部分はある。 (クイックタイム・フィールディング) クイックは1.2秒前後と標準のクイックが出来ている。 (投球フォーム)  長身投手ありがちなステップ幅が狭く、上半身主導のフォーム。ただ肩、肘が柔らかく、特に肘の使い方が秀逸で、キレのある変化球を生み出す。  ワインドアップから始動する。左足を真っすぐ上げていき、右足は一本足で立つ。左足を三塁側方向へ伸ばしていき、重心を下げていくが、ステップ幅は狭く、縦向きの変化球を投げるにはあまり適していない。彼がフォークではなく、縦のスライダーで勝負するのはフォームのメカニズムが関わっていると言える。  左腕のグラブは正対し、左肩が開く。開きは早く、打者からすれば見切りはつけやすい。それでも鳴門打線を抑えることが出来ていたのはやはり変化球のキレが想像以上だった。彼は身体から遠ざかった腕の振りをしているため、細かなコントロールを付けるのは難しい。恐らくストレートのコントロールが安定しないから、変化球中心の投球に切り替えたと考えられる。   自分なりに投球フォームの欠点を理解し、身の丈に合った投球をしていると言える。ただ縦のスライダー、スライダーは肘への負担が大きく、多投はあまりお勧めできない。 じっくり見ると投球フォームの課題は多く、高レベルの環境に身を置くと、苦しむことが考えられる。また癖のあるメカニズムをしているので、矯正も難しく、不安定なバランスが成り立っている投手だといえる。
更新日時:2012.03.24

将来の可能性

 長身投手にしては投球センスもあり、身の丈に合った投球が出来る事を考えると、大学・社会人レベルでも活躍出来る可能性を秘めた投手といえる。ただフォームが荒削りで、まだ芯がビシッとしていない体付き。今より専門的な環境に身を置いて、指導者の指導が上手くマッチすると、化ける可能性を持った投手ではないだろうか。  全国で好投したのは大きな自信になったはず。甲子園で掴んだ自信と反省を糧に、報徳学園を筆頭に私学の強豪の一番の対抗手に相応しい好投手に成長しているか注目していきたい。
更新日時:2012.03.24

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