岡田 聖司選手 (倉敷商)

岡田 聖司

球歴:倉敷商

都道府県:岡山

ポジション:一塁手

投打:右 / 右

身長:176.0 cm

体重:84.0 kg

学年:卒業

寸評

 秋季中国大会では、準優勝の立役者になったチームの主砲。そのパワフルで豪快な打撃で、ガンガンチーム引っ張ってゆきます。選抜作新学院戦でも、強烈な打球で三遊間を抜き、倉敷商業史上初の甲子園での得点をたたき出しました。 (第一印象)  ガッチリした体格から足を大きく引き上げて、その反動を生かして強い打球を生み出します。最近こういった、いかにも強打者という雰囲気を漂わせる選手が減りました。彼は、ちょっとレトルな雰囲気漂わす男です。 (守備・走塁面)  選抜では、グランドコンディションが悪く、随分とおっかなびっくりにプレーしていました。ただそういった不運な面もあったのですが、一塁手としても上手い部類ではなさそう。彼の場合は、打撃に集中させるために、守備的負担の少ない一塁を守っているという感じではありません。地肩も弱そうなので、上のレベルでも守備位置は限定されそうです。  一塁までの塁間は、4.8秒前後。これを左打者に換算しても4.55秒に相当して、高校生としても遅い部類。ただ新チーム結成以来の194打席で、14個の盗塁を決めています。これは、プロの規定打席である446打席に換算すると、年間32個のペースで走っていることになります。実際には、もう少し速く走れる走力と、ある程度動ける身体能力はあるのかもしれません。  ただいずれにしても、上のレベルで守備・足を売りにするとは考えづらい内容。やはりこの選手は、打撃でガンガンアピールして行くタイプなのでしょう。 (打撃内容)  平均的なタイミングで始動する選手なので、本質的には中距離打者。勝負強さを売りにする、ポイントゲッターと言えるのでしょう。そのため打球も、ホームランというよりは、球足早く野手の間や頭の上を超えてゆくようなタイプの強打者だと言えるでしょう。 <長所>  ある程度早めに始動することで、着地までの「間」が取れています。そのため強打者なのですが、いろいろな球に対応できる打撃の幅は持っています。ただ残念なのは、選抜では引っ張りにかかることが多かったこと。元来は、真っ直ぐ踏み出した足元がブレず、右にも左にも強い打球が飛ばせます。  バットを上から、ミートポイントまでロスなく振り抜けます。大きな弧を描きながら、フォロースルーまで強く振りぬけます。ただ秋よりも、強引なグリップの引き上げは減り、スイング軌道が、以前ほどアッパー気味ではなくなりました。    秋は大きな動作故に、目線が大きく動く傾向が見られました。しかし体の開きも我慢できるようになり軸足の崩れも少なくなるなど、軸を起点に綺麗な回転で振れています。一冬超えての一番の成長は、軸が安定してきたことではないのでしょうか。 <課題>  「トップ」の形をつくりつつ、そこから更にバットを引く癖があり、やや余分な動作があるのが秋から気になっていました。それでも秋は、間津裕瑳早鞆)投手の140キロ近い速球にも対応していたので、それほど気にする必要はないのかもしれません。
更新日時:2012.04.10

将来の可能性

 打撃に関しては、一冬超えて技術的な課題が、幾つか改善されていました。この選手が面白いのは、いろいろなタイミングに合わせられる故に、右にも左にも打ち返せる幅がある点です。そのため、あまり力んで引っ張りにかからなければ、広角に打ち返しつつ高い率も期待できます。まだまだ課題も多いのですが、良くなりつつあります。  ただ積極的な走塁は見せているものの、守備力・走力ではアピールするほどではないタイプ。それだけに上のレベルでも、チャンス・ポジションは限定されやすい不利な部分はあります。それでもあえて、打撃で勝負して欲しい。そういった豪快さがあります。今後もガンガンと、その強打でアマチュア野球を席巻して行って欲しいと期待します。
更新日時:2012.04.10

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