宮本 嘉生選手 (高知)

宮本 嘉生

球歴:高知

都道府県:高知

ポジション:投手

投打:左 / 左

身長:172.0 cm

体重:61.0 kg

学年:卒業

寸評

 個人的には、1年秋から見てきた投手。2011年度の高知高校は、甲子園に出場した明徳義塾に対し、公式戦で3勝0敗と圧倒してきた世代。そのタレント揃う高知高校で、エースナンバーを背負ってきたのが、この 宮本 嘉生でした。ただ最後の夏の決勝戦に明徳義塾に敗れ、甲子園出場を逃しました。 (投球内容)  左スリークオーターから投げ込むストレートは、120キロ台後半~130キロ台前半。一年秋から比べても、それほど速くはなっておりません。変化球のほとんどは、115キロ前後の横滑りするスライダーとのコンビネーション。たまにですが、更に緩いカーブのような球も投げているように思えます。それらの球を、両サイドに散らせて打ち取るのが、この投手のピッチングスタイル。  フィールディングも牽制も、基準レベルのものがあります。ただそれほど走者に対し、目配せなどで威嚇している印象はありません。クィックは1.2秒前後で下級生の時は投げ込んでいたのですが、最後の夏はクィックをしない場面が目立ちました。何故なのでしょう?  経験豊富な選手なので、マウンド捌きは洗練されています。普段はテンポ良く投げ込みますが、走者を背負うと、実に「間」を長くとって相手を焦らします。そういった「間」の使い方が、この選手は物凄く上手いですね。 (投球フォーム)  ゆったり投げ込んで来るようなイメージがあるのですが、足を勢い良く高い位置まで引き上げて来る力投派のフォームです。 <広がる可能性>  引き上げた足を地面に向けて伸ばしぎみで、少しお尻の落としが甘い傾向があります。そのため腕の振りが緩みがちになるので、ほとんどカーブを投げ込みません。腕の振りもスリークオーターなので縦の変化も見られません。あくまでもスライダー・チェンジアップ系の投球フォームといえ、将来的にもこれらの球を使って、投球を組み立ててゆくことになりそうです。 <ボールの支配>  けして球威・球速で抑えこむタイプではないのですが、グラブをしっかり内に抱えきれません。これにより、両サイドの投げ分けも大まかといった感じです。足の甲の押しつけも、膝小僧に土が着いてしまうぐらい深く沈んでいます。ここまで沈んでしまうと、返ってボールを低めに押し込めない時があります。また「球持ち」も浅く、指先の感覚もイマイチなのが、将来的にも暗い影を落とします。 <故障のリスク>  お尻が落とせない割に、カーブやフォークも多投しないので、それほど無理は感じません。ただテイクバックしたときに、肩が背中のラインよりも奥に入り込んでしまい、その部分では負担を大きく感じます。もう少しテイクバックをコンパクトにして、ピュッと来る感じを作っても良いのかなと思います。 <実戦的な術>  「着地」までの粘りは平均的ですが、体の「開き」は遅く見難いはず。ボールが隠れたところから出てくるので、打者としてはタイミングが掴みにくいタイプではないのでしょうか。腕の振りは良く、投げ終わったあと体に絡みます。速球とスライダーの見極めは、なかなか難しいかもしれません。ただ残念なのは、「体重移動」が上手く行かず、ボールにウエートが乗せられておりません。そのためボールが手元まで来る感じがなく、物足りなく感じます。重心の深すぎる沈み込みを、もう少し緩和すると変わって来るのではないのでしょうか。
更新日時:2011.10.10

将来の可能性

  元々球威・球速でねじ伏せるタイプではなく、打ちにくさを全面に出した左腕です。ただそれにしては、制球がアバウトだったり、球種も少なく単調だったりと、投球の幅が広がっていないのが惜しいです。正直1年秋に初めて観た時と、あまり変わっている印象がありません。もう少し球が切れてくれば、大学などでの活躍も期待できるでしょう。貪欲に技術の向上に務め、これからも末永く野球を続けて行って欲しいと思います。
更新日時:2011.10.10

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