大西 佑季選手 (智辯学園)

大西 佑季

球歴:智辯学園

都道府県:奈良

ポジション:二塁手

投打:右 / 右

身長:172.0 cm

体重:68.0 kg

学年:卒業

寸評

 1年夏から、高い集中力と三拍子バランスの取れたプレーで、智弁学園を引っ張ってきた選手が、最終学年を迎えた。チーム唯一の3年生レギュラーが、一体どんな成長を遂げてきたのか、今回は考察してみたい。 (守備・走塁面)  一塁までの到達タイムは、速い時で4.35秒前後。これを左打者に換算すると、4.05秒前後に相当。プロの基準が4.2秒であるから、それを上回り、なかなかの俊足だと言えよう。ただ奈良県予選の5試合で、盗塁は0個。せっかくの脚力を活かせずじまいであり、少々もったいない。特に彼は、一塁までの到達タイムよりも、ベースランニングの上手さが下級生の頃から光っていた。  一年生の頃から守るセカンドの守備は、二塁手らしく堅実。奈良予選の5試合でも、失策は0。ただ少し足の運びがついて行けない時があり、小回り、素早さが求められる二塁手としては不安を覚える場面があったのも確か。普段のフットワークは好いので、そういった部分をもう一度見直したい。 (打撃内容)  相手投手をグッと睨み、打席での集中力の高さが自慢。奈良予選では、1本塁打・6打点・打率.438厘と、四番の重責を果たした。ただ元来、野手の間を抜けたり、内野手の頭の上を越えるような、はじき返す打撃が得意なので4番タイプと言う感じはしてこない。スイングはコンパクトですが、小力を秘めボールに食らいついて行くのが彼の良さ。ただこの夏は、以前ほどそういった貪欲さが薄れて見えたのは残念でした。 (打撃フォーム) <構え>  両足を揃えた、スクエアスタンス。グリップの高さは平均的で、腰の据わり・全体のバランス・両目で前を見据える姿勢も悪くありません。グッと集中した構えの割に、力みは感じられないという、程よい緊張感に好感が持てる構えです。 <始動>  投手の重心が沈む際に、前の足をベース側につま先立ちします。そしてリリース前にステップして、スイングに入って行きます。このタイミングだと、始動が遅すぎて一定レベル以上のストレートへの対応に苦労します。幾分、全体の始動を早めた方が、打撃の幅は広がるのではないのでしょうか。 <下半身の動き>  軽く足をまわし込んでから、踏み込んできます。やはり始動してから、ボールが到達するまでの「間」がないので、どうしても打てるポイントは限られます。狙い球を絞って、その球を逃さず叩く「鋭さ」が求められます。ただ彼は非常に打席での集中力があるので、狙い球を絞って逃さない、そういった打撃には適している気は致します。  ベース側に、インステップして踏み込んできます。そのため外の球はきっちり叩けますが、その分内角の捌きが窮屈になる弊害も見られました。踏み込んだ足下は、インパクトの際にもブレないので、外の球もきっちり叩くことができています。 <上半身の動き>  グリップをトップの位置に持ってくるのが、少し遅い気が致します。始動も遅く、トップを作るのも遅れれば、当然速い球には振り遅れます。バットの振りだしも、少し体から離れて振られており、スイングが波打っているのが気になりました。最後までしっかりは振り抜けていますが、意外にロスのあるスイングをしていることに驚きます。下級生の頃は、もっとコンパクトな印象があったので。 <軸>  足の上げ下ろしは小さいので、頭の動きは小さめ。体の開きも我慢でき、軸足にも大きな崩れは見られませんでした。技術的には、始動を早めて余裕を持つこと。そしてスイング軌道の改善が、今後の課題ではないのでしょうか。
更新日時:2011.08.19

将来の可能性

 下級生中心のチームのなかで4番に座り重責を果たしておりましが、何か元気がなかったように思えます。以前ほどの高い集中力も感じられませんでしたし、正直あまり成長しているようには思えませんでした。  守備・走力などは、中の上レベル。これに、いかに打撃で自分の色を出して行くのかが求められます。高い集中力を活かし、二番打者をタイプを追求するのが、この選手の生きる道なのかなと思います。もう一度原点に立ち返って、道を追求して欲しいと思います。大学や社会人などで、どんな活躍を見せてくれるのか静かに見守って行きたいと思います。
更新日時:2011.08.19

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