久保 大星選手 (神村学園)

久保 大星

球歴:神村学園

都道府県:鹿児島

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:167.0 cm

体重:65.0 kg

学年:卒業

寸評

 今年の鹿児島県予選で、素晴らしい投球を披露してくれたのが、久保 大星 。甲子園でもその投球が期待されたが、中盤以降打ち込まれて、その期待ほどの内容ではなかった。何故全国の舞台では、彼の持ち味が発揮できなかったのか考察してみたい。 (投球内容)  167/65という小柄な体格ながら、低め膝元で伸びてくるストレートの伸びと、精度の高い制球力、洗練されたマウンド捌きには、まさに高校野球の好投手と言う称号が相応しい。  小さなからだでも、大きく振りかぶって投げ込んできます。その球速は、常時135キロ前後ぐらいではありますが、手元までグ~ンと伸びて来る球質は素晴らしいものがあります。変化球は、スライダー・カットボールを中心に、ブレーキの効いたカーブやフォークのような縦に落ちる球種もマスターできています。みるからに所作や投球フォームからも、野球センスに優れた投手らしい投手。  両サイドに投げ別ける制球力、相手の心理まで読める投球術、クィック、フィールディング、牽制なども上手く、高い総合力を感じさせます。しかしこの投手、鹿児島大会もそうだったのですが、中盤以降になるとボールが高めに浮いてきて、甘い球が増えてきます。実際甲子園でも、能代商業に打ち込まれ一挙4失点したのは6回でした。それも打たれたのは、両コーナーをきっちり突いた球ばかり。そのため制球力以外に、大きな要因がありそうです。投球フォームを考察し、それを考えてみたいと思います。 (投球フォーム)  小さなからだですが、大きく振りかぶって投げ込んできます。引き上げた足を地面に向けて伸ばすために、緩急を効かしたカーブや縦に鋭く落ちる球種武器に、今後もして行けるのかは疑問です。まして「着地」までの粘りに欠けるので、その点でセンスはよくても、今後の投球の幅を広げて行けるのかが、一つ大きな課題としてあげられます。  グラブの抱えも最後ほどけてしまいますし、足の甲の押しつけも深すぎて、かえってスパイクのエッジが活かせずボールを上吊る要因を作ります。それでも精度の高い制球力を誇るのは、「球持ち」がよく、指先の感覚に優れているからでしょう。しかし球数を多く放ると、握力が落ちてボールを上手くコントロールできない傾向にあるようです。そういったリスクを避ける意味でも、普段からグラブを最後までしっかり抱えたり、もう少し重心の沈みを緩和させる必要があるのではないのでしょうか。  「着地」までの粘りが作れないので、コースが甘くなるとタイミングが取りやすく一気に打ち込まれる危険性を感じます。また「開き」も早くなり、いくらコースを突いていても、いち早く球筋を読まれ、難しい球にもついて行かれます。腕はそれなりに振れており、変化球との見分けはつきにくいです。ただ重心が深く沈み過ぎているので、前に「体重移動」が上手くできません。これがもう少し上手く行くと、手元での伸びだけでなく、体重が乗った球威みたいなものも加わって来るものと考えられます。
更新日時:2011.08.15

将来の可能性

 序盤戦の、投球術、制球力、球の威力などには、高い評価ができる選手です。ただ、「着地」の粘りの無さと「開き」の早いフォームの改善は必須です。これが、甘くない球でも容易に打たれてしまう原因だからです。  また上のレベルでの野球を続けて行くのであれば、やはりもうワンランク上の球威・球速は求めたいところ。それでも今のレベルでも、比較早い段階から大学などでは起用されることでしょう。ただ心身のスタミナ不足もありますから、計画的に自己向上に取り組み、資質を膨らませて欲しいと思います。高校野球の好投手から、アマチュア野球の好投手、それが実現した時は、更に上の目標を!そういった夢が広がる投手でした。
更新日時:2011.08.15

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