〜心で書く!〜 氏原英明 公式ブログ

フリーライター・氏原英明のblog。当サイト上にある日記の記事の無断転載を禁じます。

BASEBALL FAN

2009年11月の記事一覧

取材ノート

 取材ノート作成にはいつも悩む。

 作成といっても、そう難しいものではないんだけど、ノートの使い方っていったところかな。

 普通、野球の取材をすると仮定したら、スコアブックを持つのが普通なのだろうけど、僕は世に言うスコアブックは持ってません。それっぽいものを作って持っているだけ。

 以前までは、ノートをスコアブックっぽく使ったり、ノートの左側にスコアをかき、右側に球種を書いたりとか、いろいろしていたけれど、試行錯誤して、毎年、変化している気がする。

 同業者の方々を見ていると、みんなではないものの、結構、変化していってるようだ。使い方がそれぞれ変わってきたみたい。細かくスコアをつける人もいれば、スコアはチェックだけで、選手評をメインにする人もいるし、ペンできれいに色分けしている人もいる。

 要するに、取材ノートなんてものは、自分さえ分かればいいわけで、その使いやすさをそれぞれが求めているということなんだろう。

 僕なんかは、毎年のように、これがよいかなと、形を変えて使っている。

 ことしからはノートと別にスコアシートを使うようになった。グラフィックデザイナーでもある姉貴に頼んで、作ってもらい、試合のスコアをつけながら、タイムや球種を書けるようにしてはいるんだけれども…。

 イマイチ、しっくりこない。

 後で振り返ると、みにくいのだ。今、姉貴に新しいのを作ってもらっているのだけれど、まだまだ試行錯誤が続きそうだ。

 で、なんで、きょうは、こんな話を書いたのかというと、、、、

 実は、過去の取材ノートが一冊見当たらなくて、ヤケを起こしているところ(笑)

 自分を落ち着かせるために、書いた次第。

 お付き合いいただき、ありがとうございました。

Written by 氏原 英明

2009年11月30日 11:33 pm

Posted in 未分類

スポーツマンシップ

 11月29日の、きのう、タイガースカップというのを見に行ってきた。

 関西の中学生の硬式チームNO1を決める大会。普段は分かれている、ボーイズやら、シニアやらの連盟が一堂に介して、甲子園球場で、試合をしようってやつ。ここで活躍した選手が、そのまま高校で甲子園に!というようなシナリオは用意されてはいないけれど、出場した選手にはいい思いでになる大会であったはず。

 まぁ、関西のライターとしては、ことしの最後を締めくくる大会でもある(笑)

 この大会で、すごい選手がいたとかは、まぁ、書くのは他の人にお任せして、僕としては、あるシーンに着目した。

 きのうは準々決勝の4試合があったんやけど、第1試合に敗れた、飾磨クラブが最後まで残っていた。途中は、単に、観戦しているだけなのかと思っていたら、どうやら、そうではないらしい。

 第4試合に登場する、全播磨硬式野球団の応援をするために残っているのだという。全播磨も、飾磨クラブも、ヤングリーグ所属っていうのもあるのだけれど、それ以前に、飾磨クラブが戦っているとき、全播磨が、飾磨を応援していたからなんやって。。

 だから、飾磨は最後まで待って、応援しようと、残っていたというわけ。

 しかも、いやいや、応援するのではなく、必死に応援していた姿には心打たれた。おそらく、第1試合でも、飾磨を全播磨が応援していたからなんだろうね。

 これこそが、スポーツマンシップだと思うし、いい光景だった。

 そんないい光景を見て、家に帰ったら、夜にボクシングの世界タイトルマッチが行われていた。「内藤大助VS亀田興起」。

 世間一般的には、「世紀の一戦」と謳われた試合だ。

  個人的な感想を言うと、それほど白熱なかった。それこそ、「薬師寺VS辰吉」や「畑山VS坂本」に見たような、興奮とか、そういうのがあんまりなかったような気がしている。

 亀田のうまいボクシングには感動したし、これまでの努力とか、注目されながら、つかんだものの、大きさはすごく価値のあるものだとは思う。亀田のすごさと、試合の白熱具合とはまた、別の話なんだけど、試合が終わった後、ちょっと気がかりなことがった。

 たとえば、辰吉が薬師寺に負けたとき、辰吉が薬師寺を持ち上げて、勝者を称えるというスポーツマンらしいシーンを見たが、昨日、中継がすぐに終わったこともあってか、亀田が内藤に健闘をたたえに行く場面はあっても、内藤が、亀田の勝利を熱く、称えているような、シーンがなかったような気がしたのだ。

 あくまで、中継の範囲内ではあるけれども。

 中学の大会で見たスポーツマンシップに感動しただけに、なんか、物足りなさを感じてしまった。

Written by 氏原 英明

2009年11月30日 9:42 am

Posted in 未分類

寄稿4

 コラムが更新されましたので、お知らせいたします。

 「人間力×高校野球」

 第8回 海外の子供たちを指導、阪長友仁さんからのメッセージ 

                      ~日本野球の真髄とは~

 http://www.hb-nippon.com/column/95-hb-nippon-columnnuzihara/4000-clmn2009-01-date20091127no08u

Written by 氏原 英明

2009年11月28日 10:40 am

Posted in 未分類

方向性。

 ここのブログの方向性ってこれでいいんかなぁって、悩みます。

 というのも、有名人のブログとかを見ていると、「きょうどこいった~」「きょう、○○に会った~」「きょうの晩飯~」みたいな感じで、リアルタイムな素の情報を配信しているような気がしたから。

 その点、僕なんかは、コラムなのか、ぶつくさ、文句を並べているのか、よく分からないブログになっている。もっと、世間のブログっぽくした方がいいのかなぁと思ったりしている。意見求ム。

 そういった点では、先日の「スポーツライターの性質」という題の日記は大いに反省。単なるスポーツライターの愚痴やんかぁ。そんなん、聞きたくないよなぁ。今、読み返して、ホンマ恥ずかしい。

 というのも、ある人のブログに「この仕事は美味しい」「この仕事は儲かる」、「その点、この仕事は易い」って書いているのを読んで、こうなったらアカンって思ったけど、自分も対して変わらんなぁと。

 書くという仕事に誇りを持たないとね。それが安いか高いかは、また別の話。大事なのは何を残すかで、そのプライドを持っているんやったら、仕事の愚痴とか、単価のこととかを書くべきではない。

 で、さっそくですが、きょうは(すでに昨日ですが)、立正大淞南の取材に行ってきた。

 立正大淞南というと、この夏の甲子園で初出場ベスト8を記録したなかり。イキのいい学校なのです。今回は「冬の打撃」をテーマに取材に行ってきたわけだけれども、勉強になった。

 ま、その内容については、発売される紙面の方を参考にしてもらいたい。来月17日、発売予定です。寄稿誌情報についてはまたここのブログに書きます。

 それにしても、島根県というのは不思議な地区だなぁと思った。

 高校数は少ないが、意外と私学の学校が虎視眈々と甲子園を狙っている。大阪とかでは当たり前だけど、中国地方は山口のように、「公立どころ」の地区もあるわけで、島根も梨田監督の母校で知られる浜田も有名だから、てっきり「公立どころ」と思っていた。

 立正大淞南に、この秋、中国大会チャンピオンの開星や石見智翠館、出雲北陵など。結構、私学が散在しているのだ。

 この夏の立正大淞南も、レベルの高い守備力を誇っていたし、中国大会チャンピオンで、ドラフト候補・糸原が大注目の開星。今年の選抜では慶応を破った。侮れない地区だよなぁ。決して弱小県ではない。

 選手権に限れば、ベスト8進出が04年まで遠ざかっている奈良県の方が、遅れを取っていると言われて仕方ない。

  滞在時間は非常に短かったけれども、島根の野球に触れた一日であった。

Written by 氏原 英明

2009年11月28日 1:46 am

Posted in 未分類

寄稿歴3

 本日発売!

 ベースボールマガジン社

 「週刊ベースボール」

 短期集中連載
 2009ドラフト指名選手 CLOSE UP
 楽天2位・西田哲朗(関大一)

Written by 氏原 英明

2009年11月25日 6:04 pm

Posted in 未分類

寄稿歴2

 寄稿しましたので、お知らせいたします。

 Number web 「野球善哉」

 「NPB選抜vs.大学代表の試合に見た、
ダルと斎藤の「谷間世代」の悩み」。

 http://number.bunshun.jp/npb/column/view/4357/

Written by 氏原 英明

2009年11月24日 12:59 pm

Posted in 未分類

大学日本代表VSNPB U-26選抜

 大学日本代表対NPB U-26選抜の試合が行われた。

 歴史的なゲームという表現だそうだ。

 プロとアマチュアの選手が対決するのだから、その価値は大きい。モンドが開かれたという意味で、その価値は大きいということだそうだ。

 この試合を振り返ってみると、試合は1-1だったものの、僕自身は大学生に物足りなさを感じている。

 メンバー選考に関しては、この上ない上質の選手ばかりをそろえたであろう。しかし、なぜ、もっと掛かっていかなかったのかと、そういう気がしてならないのだ。

 1-1というゲームなんて必要ない、どんどん押していって、打たれる方が意味があったんじゃないかと、僕はそう思うのだ。

 斎藤が試合後のインタビューで、悔しそうな顔をしたのは打たれたからではなく、強気に行かなかったから、そう思って発言していたような気がしてならない。

 東浜や野村は、まだ下級生で将来がかなりあるから、あえてきつく言わせてもらうと、交わし過ぎだと思う。コーナーワークの巧みさが彼らの持ち味なのは分かる。しかし、それで交わしていったからと言って、たった1イニングの対戦では見えるものが少ないような気がする。打ちとったのではなく、打たれなかっただけなのだ。まぁ、交わせるだけでも、実力があるという見方があるけれどもね。

 先発した前田健太、大嶺祐太の投球を見て、何を思ったか。前田がバシバシ、インコースをつく投球を見て、どう思ったか。大嶺の三振を奪いに行く投球に感じるものはなかったか。

 とはいえ、そんな大学日本代表にも掛かっていくスタイルを見せた選手がいた。澤村拓一と菅野智之だ。

 澤村のストレートで向かっていくピッチングにはほれぼれした。あれで、もしスタンドに放り込まれていても、価値はあった。抑えたからさらに価値はあったのだけれど、投手陣の中でも、トップクラスに手ごたえを感じたのではないだろうか。

 菅野は圧巻だった。彼はスライダーを投げ込んでいたが、決して、それは「交わし」ではない。勝負に行っていた。まったく逃げた様子もなく、向かって行って三振を奪ったり、打ち取っていく様は、「プロ」級だった。

 この試合で、失われるものはないか。ほとんどないと思う。視聴者がどう印象を持つかだけで、それは一時的なものでしかない。だったら、打たれようとも、かわすのではなく、強気に行くべきだった。

 もちろん、キャンプ中のプロとオフに入った大学生とでは気持ちに差があったかもしれないけれど、せっかくの歴史的なゲーム、千歳一隅のチャンスは、向かっていくことに意味があったのではないかと、僕は思った次第である。

Written by 氏原 英明

2009年11月23日 9:06 pm

Posted in 未分類

環境が人を育てる。

 きょうは、「コロンビア野球少年プロジェクト」といって、海外青年協力隊員の阪長友仁さんが率いているコロンビアの野球少年チームが、城東工に練習に来ると聞いたので、取材に行ってきた。

 このチームは、阪長さんという熱心な指導者が、2008年からコロンビアに野球指導に行かれているチーム。日本野球の素晴らしい所を、野球後進国であるコロンビアで広めようと阪長さんがその熱意を持って、指導にあたられているのですが、今回はこのプロジェクトの一環として、同校に練習参加をした。

 練習参加といっても、単に日本式のアップをして、キャッチボールをして、ノックを受けて、ティー、ダウンをして、グラウンド整備、挨拶をして終わる、という非常にシンプルなもの。

 陣頭指揮を同校監督である見戸先生がとり、阪長さんがスペイン語で伝えながら、同校部員達も身振り手振りで教えながら、1時間半の練習に汗を流した。

 コロンビアの野球少年たちにとっては、普段、阪長さんより教えられている日本野球の一端を学んだだろうし、一方で城東工の部員達も普段は接することのありえない選手と交流することで、刺激を受けたであろう。

 言葉は分からないというのに、「野球」で日本とコロンビアがつながっている。非常に美しい光景だった。

 練習をみながら感心したのは、阪長さんさんが何度もいっていた「いつもはせーへんのに」と言われていた部分だ。

 阪長さんは日ごろから、日本人の規律正しさを伝えるために、練習の切り替えや道具をきっちり揃えることなどを言われているそうだが、それがなかなか前に進まない。たとえば、キャッチボールを終えて、次の練習に行こうものなら、ダラダラ歩くし、グラブはほおったままだという。

 それが、日本人の姿勢を見習ったのか、ベンチにグラブをそろえて置いている。移動するにも小走りを見せていた。

 どんな人種であっても、空気を読む、場を読むというのは変わらないんだなぁと思った。ノックでも、コロンビアの選手はボールを受ける前に「お願いします」といい、悪送球をするとお辞儀をしていた。

 「1年間教えてきたことを、この1時間半で学ぶことができた」とは阪長さんである。

 要するに環境次第で子供は変わる、ということである。

 子供たちには数限りない可能性を持っている。

 それを大人がいかに意識して指導できるかどうか。

 環境をいかに作ってやるか、を感じた一日になった。

 そうした想いを海外に行ってまで広めようとしている阪長さんの熱心な姿には心を打たれたものだ。

 きょう、受けた感動をいつもの月一コラムで取り上げられたら…。編集部と要相談だ。 

 

Written by 氏原 英明

2009年11月21日 3:36 am

Posted in 未分類

スポーツライターの性質

 こんなしがないライターでも、時折、悩む時がある。大抵は、数日もすれば吹っ切れてしまう小さい悩みなのだけれど…。

 僕はスポーツの雑誌をよく読む。当たり前か(笑)

 その場合に、自分の記事が掲載されている雑誌はもちろんこと、そうでない雑誌もパラパラ読む。

 そうした場合に何を見るかというと、「取材・文○○」という部分について。誰が記事を書いているのかはすごく気になる。同業者の誰が、何について、どの雑誌に書いているか、気になってしょうがない。

 そして、以前までは、そのことで悩むことが多かった。

 おれは、これでいいのか、と。

 僕が書いている雑誌に書いている方っていうのは、ほとんどの人が同じか近い媒体に記事を書いている。なわばり争い?というか、テリトリー争いなんてのはないけれど、それぞれに抱いている想いはある。「ここについては俺の方が詳しい」とか、「俺の方がいい記事を書ける」とか。

 数年前、ある先輩の同業者の方に、僕が書きたかった原稿を違う別の方が書かれていて、そのことを愚痴っていたら「まぁ、そんなこといわんと、大らかに」となだめてくれた。ところが、その数か月後、自分がその被害にあうと「絶対、おかしい」と憤慨されていた。

 みんな、他人のことだと大らかだが、自分のことになると、結構、ピリピリしているものなのだなぁと、そのとき思った。だから、「あれ?この人、前まで、このチームのことを批判していたのに、儲かるとなったら態度かえてるわ」なんて、ねたみ根性なんかも生まれてくる。

 すごく情けない話だけれど、以前の自分はそういうことが多かった。

 ○○さん、いっぱい記事書いてはるわぁ、儲かってるなぁ。その点、俺なんて…

 という思いを何度したか分からない。「お金を稼ぐためにライターをしているのではない」と思っているとはいえ、お金がないと生きていけないし、活動範囲が狭くなるのも事実としてあるわけで、そうした現実に目を伏せるわけにもいかないときがあるのだ。

 しかし、実際、そういう悩みと向き合ってきて、また、「氏原さん、最近、雑誌でよくお名前見かけますね」といわれるようになって思うのは、大事なのはソコじゃないなぁと。人と相対することなんか、大事ではない。

 「氏原さんって、○○の記事を書かれた方ですよね。あの記事には感動しました」。

 「氏原くん、この前のブログ、ストライクやったわ。面白かった。」

 まさに、ソコ。

 山際淳治さんの「江夏の21球」とか金子達仁さんの「断層」および「28年目のハーフタイム」、「神を見た夜」とかが、その最高峰のめざすべきところなのだけれど、大なり小なり、そうした記事を書くことこそが、大事なんだよね。

 世の中に残って言うような、スポーツ界に残っていくような、記事を書かないことには、どれだけ、記事の本数が増えても、納得はできない。

 それが記者ではなく、フリーでスポーツライターを志した人の性なんではないかと、僕は思う。

 

Written by 氏原 英明

2009年11月20日 12:19 am

Posted in 未分類

大野の秋、おわる。

 この秋、関西の野球界を揺るがしたのは佛教大のエース・大野雄大である。MAX151㌔のストレートを武器に、関西選手権で立命館大を力でねじふせ、ドラフト上位候補として、関西圏内にその名を轟かせた。

 そして、彼は、続く神宮大会でも、そのストレートを武器に、全国に、その名を売った。「昨年の藤原(立命館大)より、面白い存在」と話す人は、そう少なくない。

 その大野の秋が、きょう、終わった。準決勝戦で、立正大に敗れ、悲願はならなかった。

 大野についてはご記憶の方もおられるかと思うけど、京都外大西の出身。センバツで投げたのを僕も覚えている。ストレートを軸に、スライダー、カーブを投げ分ける本格派左腕だったというのを記憶していた。

 大学に入ってからも、彼については、1年秋前の練習試合と、昨年の神宮大会でちらっと見たが、上半身主導のフォームで豪華に投げ込む左腕という印象で、大味な選手という評価をしていた。

 まぁ、この秋も、そういう投手に変わりはなかったのだけれど、実際は違っていたらしい。本人に聞いても、「もっと変化球を投げていた」というし、高校時代の恩師・上羽監督も「変化球でストライクを取れるはず」と語っていたほどだから。

 いわば、大野は、この秋、特にリーグ戦を制してから、奈良産業大、立命館大、九州産業大、きょうの立正大に対し、ストレートだけで挑んでいたということである。

 勝利のことだけを考えれば、これほ無謀なことはない。

 しかし、僕は、そんな彼を評価したい。

 というのも、まだ3回生である彼が、スライダーに頼った。交わすピッチングをして勝ったとしても、なんら意味をなさないと思うからだ。彼自身が得意とするストレートがどれだけ通用するか、それを確認する必要があった。

 「ストレートだけじゃダメやということが分かったし、ストレートに関しても、コントロールとか、磨いていかないといけないことがある」とは、きょうの試合後の大野である。

 これが、例えば、変化球に頼ったピッチングをしていれば導きだっせなかった課題だったのではないだろうかと僕は思うのだ。

 阪神2軍の蕭一傑とも話をするのだけれど、格上じゃないと判断できる相手に対して、変化球で抑えることになんの意味もないということだ。たとえば、二軍の選手で変化球を狙う選手はいるか?答えはNOである。ストレートを狙ってくる相手に対し、ストレートで抑えることができれば、それだけのストレートだということである。

 ある指導者がこんな話をしてくれたことがある。

 「並の投手は内に速く、外に緩くや。でも、上で勝負したかったら、アウトローのストレートで勝負できるかやろう。アウトローは、技術も体力もいるなかで、それをどれだけ追及していけるかやろう」。

 ヤクルトで、この秋季キャンプから1軍に召集された山田弘喜の例をとってもそうだ。彼は9月の最終登板の試合でホームランを打たれた。その時の配球が実におもしろかったのだ。

 2-3から、4番・鵜久森を迎えた場面で、山田は2回首を振った後、ストレートを投げて、本塁打を叩きこまれたのだが、その時の山田の話が面白かった。

 「スライダーが投げたくて、首を振ったけど、キャッチャーのサインがストレートだった。八木沢コーチが言うには、カウントが悪い状態で、相手が主軸の中でストレートを投げるのはご法度、と。でも、バッテリーコーチが言うには、ストレートで勝負しなアカン、なんです」

 山田弘喜の持ち味は、強いメンタルはもちろんのこと、コントロールと高速スライダーである。しかし、それを生かすためにはストレートが大事。その中で、2軍相手にスライダーで交わしていたのでは、上では通用しないということである。

 大野はそれをこの秋、やり抜いてきたのだ。ストレートで行ききってどこまでいけるのか。きょうの試合では変化球は10球程度しか投げなかったし、前回は10球も投げていない。立命戦でも8球程度だ。自分の今の実力をどれだけ試せたことだろう。

 僕は、そんな彼に、将来を見るのだ。

 「もうひと周り、成長して、神宮に帰ってきます」

 と大野は別れ際に語ってくれた。

 大野にとって、この秋が、野球人生を左右する大事な「秋」になったに違いはないだろう。

 来年が楽しみだ。

Written by 氏原 英明

2009年11月18日 10:17 pm

Posted in 未分類