興南強かった。
大会が始まって、1回戦が終わって、メディアの話題は、興南に勝てそうなチームがあるかどうかだった。
見当たらなかった。
東海大相模に期待するか、広陵、聖光学院、履正社、天理のブロックに期待するしかない。
そんな感じだった。
思った以上に、成田、報徳学園が頑張り、甲子園という舞台がいかに高校生を成長させるか、それを感じたものでもあるが、実際問題として、興南ほど、野球面だけでなく、すべてに整ったチームはさすがになかったかなと思う。
そこで難しいのが伝え方。
今大会を総括したいけれども、それをすると批判にも捉えられる。「あれだけ一生懸命やった高校生に、むかって、なんてことをいうんだ」。そう言われかねない。
実際にね、今大会はひどかったと思うんです。
それは野球のレベルが低かったとか、下手くそだった、逸材がいなかった、ということではなく、立ち振る舞いが、ここ数年で、特によくなかった。
伝令が来て、マウンドで円陣を組んで、指を立てて、スタンドに向かって合図をする。テレビ的にはいいかもしれないけど、あれは完全にパフォーマンスでしょ。
高校野球の良いところはひたむきに一生懸命、白球を追いかける姿であるはず。
ガッツポーズを激しく繰り返す選手がいたので、試合後になんで、そんなにガッツポーズをするのかと尋ねた。「友達と約束したんです、TVに映るんでね」と彼は言ったのだ。
でも、報道では彼らの戦いぶりに感動したというのである。
いや、そう書かないといけないのである。高校野球は。
仙台育英と開星の試合が、今大会でも非常に印象に残った試合の一つらしい。
1点ビハインドの仙台育英が2死満塁から中堅フライ。試合は終わったかに見えたが、中堅手が落球し、2者が生還。逆転となった。
その裏、2死・1、2塁から開星は1番の糸原が左中間に快音を響かせる。誰もが逆転勝ちと思った瞬間、左翼手の三瓶がスーパーキャッチ。試合は決した。
仙台育英・三瓶選手のスーパーキャッチは紛れもない好プレーで、感動を与えるものではあった。あれは素晴らしかった、しかし、それ以外の立ち振る舞いが良くない。
まず、9回表、二死満塁での落球の場面、ボールが中堅フライに飛んだ時、開星エースの白根、捕手の出射ともに、アウトを確認することなく、ガッツポーズを作った。そして、走者だった田中も、天を仰いで、流し気味で走っていたのだ。
中堅手の落球は、「たまたまだ」だ。彼を責めるべきではない。それよりも、あの打球で、アウトを確認しないバッテリーと、諦めて流し気味に走っていた走者、これがひたむきな姿勢なのかと。
9回裏の糸原にしても、打った瞬間、ガッツポーズを見せている。
果たして、彼らの戦いが感動的なのかと。
しかし、報道ではそんなこと言えない。
興南は素晴らしかった。彼らは試合中、一度としてガッツポーズを作らなかったのだ。
東海大相模。一二三にしても、今大会は、全くと言っていいほど、カバーに回らなかった。決勝戦ではテレビにも映ったんではないでしょうか。あの7点を取られた時、常にマウンドに立ちつくしていた一二三の姿。テレビでも見えたと思う。やるべきことを、彼は怠っていたのだ。ただ、これは、彼への批判ではない。教えていない指導者の問題だ。。
そして、閉会式では足を開いて仁王立ち。全選手の中で唯一、彼だけだった。
これでも3連投、悲運のエースと呼ぶべきなのだろうか。
興南がなぜ優勝したか。そこだと思う。
野球の技術だけでなく、立ち振る舞い。野球の神様はこういうチームが優勝するべきだと云ったのだだろう。
こういう大会だったからこそ、もっとも優勝にふさわしいチームだった。
Number Web
「甲子園の風」
~興南、圧巻の勝利で春夏連覇
“ガッツポーズ無しが生んだ偉業”
http://number.bunshun.jp/articles/-/45190/




