椀田 剛史選手 (立正大淞南)

寸評

　島根県大会では、打率.105厘と低迷。しかし甲子園では、ライトスタンドへの豪快な一発など、4番打者としての存在感を示す活躍を見せた　椀田剛史。 （第一印象） 内角に自分のツボを持っているようで、この付近へのボールには絶対的な自信を持っているようです。第二打席には、ライトオーバーのツーベース。第四打席には、ライトスタンドへ。第五打席にも、あわやホームランという、特大のライトポール際のファールを放っていました。逆に外角への対応はどうなのかな？というのは、もう少し見てみたかった気が致します。 （守備・走塁面） 　残念ながら、一塁までの正確なタイムは計測できず。しかし島根大会の6試合で、2安打・4四死球の出塁ながら2盗塁を決めています。このことからも、出塁すれば積極的に盗塁を仕掛けて来るタイプなのかもしれません。 　そう感じさせるのは、左翼手としての打球への反応や守備範囲の広さなどをみると、結構走力や運動能力がある選手ではないかと思えたから。ただ残念なのは、地肩が弱くそれ故左翼を守っていることがわかりました。 （打撃内容） 　スクエアスタンスで、実にバランス良く構えています。始動は、ボールをよ～く引きつけてから叩く遅いタイミング。これは、典型的な長距離打者に見られるものであり、彼は天性のスラッガーなのかもしれません。 ＜長所＞ 　早めに打撃の準備である「トップ」の形を作れており、バットを寝せては出すのですが、ヘッドが下がることなく思いっきり引っぱたきます。内角に関しては、スムーズにバットが抜けて実に頼もしい打者です。 　踏み込んだ足元は、インパクトの際にもブレません。この下半身の使い方を見ると、外角の球に対しても「開き」を我慢して捌けそうな感じは致します。左への意識も持てれば、もっと打撃の幅も広がりそう。 ＜課題＞ 　始動～着地までの「間」が短いので、打てるタイミングは限られます。そのため読みが外れると、中々上手く対応できません。特に極端にステップを狭くして、腰の回転を促します。こうなると引っ張るスイングは素晴らしいのですが、体を残して左方向へという対応は、かなり難しくなる極端なスイングになります。特に引き手の強い右投げ左打ちの選手なので、その傾向はいっそう強くなると考えられます。

将来の可能性

　内角には、絶対的な強さと持った打者のようです。その一方で、外角への捌きに大きな課題があると考えられます。一か八か、自分が引っ張れる球が来るまで、ひたすら待つというタイプなのでしょうか？ただこの長打力は素晴らしいので、ぜひこれからも持ち味を生かしつつ、課題の克服に努めて欲しいと思います。かなりの個性派として、これからも注目して行きたい選手でした。