吉川 雄大選手 (智辯和歌山)

吉川 雄大

球歴:智辯和歌山

都道府県:和歌山

ポジション:投手

投打:左 / 左

身長:181.0 cm

体重:79.0 kg

学年:卒業

寸評

 地獄からの復活だ。彼は東邦打線に15失点を喫している。一人の投手がここまで打たれる姿は見たことがない。それでも彼は投げ抜いた。この荒療治が夏に生きたのか、市立和歌山戦では素晴らしい投球を見せていた。 (投球内容)  左オーバーから繰り出す直球は常時135キロ~140キロぐらいは投げていそう。左の140キロ台を投げられる投手はこれぐらいの勢いのあるストレートを投げると実感。コントロールは6月のときよりも安定し、何よりも攻める気持ちで振ることができている。  変化球は横滑りするスライダー、カーブを中心に投げ込む。スライダーも東邦戦と比べると見違えるような切れ味を誇っており、このキレ味のあるスライダーで東邦の打者に立ち向かって欲しかったぐらいキレのあるスライダーを投げている。  右打者には基本的に外角中心にストレート、スライダーを投げ分ける配球が基本。と切り、インコースヘズバッと突いて詰まらせる配球。  基本的に左打者には外角中心の配球。外角ギリギリにストレートでストライクを稼ぎながら、追い込んでからはストライクからボールゾーンへ切れ込むスライダーで空振りを狙う。外角に偏らず、内角にもしっかり突くことができており、投球の幅は広い。 (投球フォーム)  東邦戦の時はフォームが安定していなかった。前膝をゆったりと送り込むタイプではないので、前足の粘りがないとフォームに連動性がなくなり、結果的に速球、キレのある変化球を投げられる土台もなく、タイミングもとりやすくなる。東邦戦では彼の悪い状態が出ていた投球であったが、夏のフォームは安定していた。  ワインドアップから始動し、ゆったりと右足を上げる。独特のテンポで足を上げていき、左足の膝をやや曲げてバランス良く立つ。右足を一塁方向へ伸ばしていきながら、重心移動を行い、前膝を送り込んで着地する。テークバックを見ると内回りの旋回をしていきながら、左ひじが背中に入るぐらいのテークバックをとっている。あまり肘が上がらないフォームなので、肩、肘への負担が気になるところ。リリースまでの腕の振りの軌道を見ると体に近いところで腕を振ることができており、リリースポイント自体は安定している。最後のフィニッシュではしっかりと腕を振り切り、体重が載った状態で終えることができている。  東邦戦と比べるとフォーム自体は安定している。ここまで立て直してきたのはフォームが改良してきたからであろう。
更新日時:2014.03.06

将来の可能性

 夏の大会は東邦戦よりも非常に良い内容を示した。早期敗退したが、ラストサマーで改善した状態で終えたことは彼の野球人生にとってプラスになったのではないだろうか。 智辯和歌山には岡田 俊哉青木 勇人の左の本格派が揃っており、彼らも卒業してから成長を見せているのを見ると、彼も卒業してからどんな投手になっていくかとても興味深い。卒業後はJR西日本へ就職を決めた。再び中国地区を代表する強豪を目指すJR西日本の中心投手となり、数年後にはドラフト候補として注目される存在になれるか注目をしていきたい。
更新日時:2014.03.06

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