辻本 貴大選手 (向陽)

寸評

　向陽では、旧チームからの唯一レギュラーで、6番・遊撃手として出場していました。それだけに攻守において、高い野球センスを感じさせます。 （第一印象） 　その身のこなしから、一目で筋のいい子なんだろうなというのがわかりました。実際に試合を見ていても、バッティングでも守備でも光るものを感じます。 （長所） 　四球を選んだり、送りバントをきっちり決めたりと、ただ打つだけでなく、そういった細かいこともキッチリ行えます。 　打球への一歩目のスタートもよく、小回りも効くしスピード感も感じます。遊撃手としては、すでに大学でのプレーも視野に入れられる水準に達しています。また強肩というよりも、スナップの強さが目を惹きます。 　少し打撃の準備である「トップ」を作るのが遅れ気味なのが気になりますが、バットを上から被せるようなスイングで、ロスなく振り抜けます。バットの先端であるヘッドを立てて、ボールをフェアゾーンに落とせます。特に強く叩くと言うよりも、ボールに合わせるのが上手いタイプ。 　頭も殆ど動かず目線が安定していますし、体の開きも我慢できています。軸足にも粘りが感じられますし、軸を起点に綺麗に回転できています。 （課題） 　どうしてもスナップだけでスローイングしようとするので、難しい体勢からの送球に乱れが生じやすい欠点があります。ただ通常のプレーならば、その手首の強さだけで強い送球ができています。将来的には素早い動きもできますから、二塁の方が向いていると思われます。

将来の可能性

　一目見れば、そのセンスを感じることができると思います。ただ「柔らかさ」や「スピード感」なども感じますが、これからは「強さ」「鋭さ」といったものも頭に置きながら取り組んで欲しいですね。高校までで終わる選手ではなく、大学・社会人と段階を踏んで行ける才能があると思います。常に現状に満足することなく、日々精進に励んでほしいと思います。その努力を怠らなければ、和歌山屈指のショートストップと呼ばれるだけでなく、その名前は近畿・全国へと鳴り響いて行けるでしょう。