牧 大介選手 (別府青山)

寸評

　1年生の頃から活躍する選手で、選抜では3番・中堅手として出場。ただ残念ながら選抜の関東一高戦では、ヒットを放てないまま甲子園をあとにしました。 （第一印象） 　俊足・好打の選手ということですが、始動をギリギリまで遅らせて打つので、ツボにハマッタ時の飛距離はあるのだろうなと思い見ていました。ただその確率が、極めて低そうな打ち方をしております。 （守備・走塁面） 　中堅手としては、落下点への入り方には余裕があり、キャッチングも悪くありません。ただ残念なのは、地肩があまり強くない点。守備は、平均～それ以上の能力はありそうですが、地肩の物足りなさを考えると、トータルでは平均的な中堅手だとおもいます。 　一塁までの到達タイムも、4.2秒前後と平均的。高校生としては遅くありませんが、上のレベルを意識すると基準レベル。新チーム結成以来の174打席で盗塁は9個、これをプロの規定打席である446打席に換算すると、1シーズン23個程度盗塁をすることになります。これは、高校生としてはそれほど図抜けた数字ではありません。走力に関しも、ドラフト候補としては平均的です。 （打撃内容） ＜長所＞ 　打撃の準備であるトップを作るのは並ですが、上から思っきり引っ張ったきます。思っきり振る割に、トップ～インパクトまでのスイング軌道にロスがなく、フォローまでいい流れでスパッと振れます。 ＜課題＞ 　始動が遅すぎて、一定レベルのスピードボールに立ち遅れる心配があります。更に始動～着地までの「間」が殆どないので、狙い球が外れると対応できません。すなわち打てるポイントは、非常に限られたスイングです。 　またベース側に踏み込む強打者らしい選手なのですが、踏み込んだ足元がインパクトの際にブレてしまいます。これでは、せっかくタイミングが合っても、打ち損じてしまうことも少なくないでしょう。

将来の可能性

　守備・走力は平均的で、打撃もツボにハマッタらと出たとこ勝負。そのため対応力に課題があり、これを改善しないと上のレベルでは苦労しそう。もう少し始動を早めて打撃に余裕をもたせることと、インパクトの際に足元のブレない、上半身と下半身のバランスの取れたスイングを身につけるべきではないでしょうか。夏までに、何処まで課題が改善されるのか、ぜひ見届けたいですね。そして甲子園に戻ってきて、ヒットをぜひ放って欲しいとおもいます。