岸本 奨平選手 (鳥取商)
寸評
双子の弟・岸本奨太と共に、この夏甲子園に出場。1番・遊撃手として、白樺学園戦では2安打を放ち存在感を示しました。 (守備・走塁面) 遊撃手としては、キャッチングやフットワークが素晴らしいとか、そういったことはないのですが、丁寧にボールを扱おうという姿勢が見られます。そのため、つまらぬミスをするタイプではありません。あくまでも、身の丈にあったプレーをする堅実なタイプ。遊撃手としては少し地肩が弱い気は致しますが、高校生の間は遊撃手として、充分やって行けるのではないのでしょうか。 一塁までの塁間は、4.65秒前後を記録。ただ実際にはもう少し早く走れそうです。ただ鳥取大会の5試合で、盗塁は0個。けして、足を売りにするタイプの核弾頭ではなさそう。 (打撃内容) 右にも左へも打球は飛ばせますが、基本的には引っ張って三遊間に転がすのが得意のようです。 <構え> スクエアスタンスで足を揃え、グリップの高さは平均的。グリップを、体の近くで構えます。腰の据わり具合や両目で前を見据える姿勢は悪くないのですが、背中が猫背になってしまっていて、全体のバランスとしてはどうでしょうか? <始動> 一度ベース側につま先立ちし、そこからリリース直前にステップする遅すぎるタイミングで始動します。ここまで遅いと、どうしても一定レベル以上の球速・キレのある球には立ち遅れます。将来的には、この始動を早めることが求められるのではないのでしょうか。 <下半身> 足をチョンと引き上げて踏み込むだけなので、どうしても「間」が取れず、打てるボールが限られます。軽くベースから離れた方向に踏み出すアウトステップなので、腰の回転を促し引っ張る打撃を得意とします。また踏み込んだ足元のブレも小さいので、真ん中~高めの外角球ならば、ある程度開きを我慢してついて行けます。 <上半身> 打撃の準備である「トップ」を作るのは早めで、始動の遅さを補います。ただ「トップ」を作るときに浅いので、どうしても打球の反発力は小さくなります。バットの振り出しは、少し肘が下がってしまっていて、ミートポイントまで遠回り。ボールを捉えたあとは、大きな弧を描き、フォロースルーでもグリップを高い位置まで引き上げ、ボールを遠くに運びます。 <軸> 足の上げ下げが小さい割には、頭が動いて目線が安定しません。体の開きは我慢できていますし、軸足も比較的安定しているので、打撃の波は小さそうです。ただボールを的確に捉えるという、確実性が少し不足しているのが、今後の課題ではないのでしょうか。より精度の高い打撃を、目指して欲しいと思います。
更新日時:2011.10.16