第2回 もう一歩先を追求する選手達へ【内野手編】
2010年6月14日

内野手のポジション別のグラブは本当に選手にとって適正なのか?

内野手のポジション別のグラブは本当に選手にとって適正なのか?

内野手用グラブといっても、サード用、セカンド用、ショート用と色々なタイプのグラブが出ています。
しかし、皆さんは「自分の専門のポジションだ」ということだけでグラブを選んでいることもあるのではないだろうか?例えば、自分のポジションはショートだからショート用のグラブを買おう、とか。今回はグラブの選び方について、日高氏に話を伺ってきました。

一見、自分に合うグラブを探しだす作業というのは難しそうに見えるが、選び方はいたってシンプル。
それは、「自分の一番使いやすいグラブを使うこと」。

「グラブの型はセカンド用・ショート用・サード用と別れていて、私たちもそれらをターゲットに絞って作るのですが、あえてセカンド用はこうだって決めつけで選んで欲しくないんですよ。まずボールを捕球することからグラブは始まってくる。その辺はまず自分が使いやすいグラブを選んでもらうといことが大前提にありますね」。
日高氏は話す。

型にはまってしまうことで、本当に自分にとって使いやすいグラブを見落としている可能性もある。
「グラブを決めるときにサイズで決めてしまう選手が多いです。たぶん彼らの中ではどのグラブの型も同じだと思っているのではないでしょうか。そうなってくると、出来上がってきたときにサイズはいいかもしれないけど、もしかしたらそれがその選手の使いにくい型っていうことも考えられます。グラブを選ぶときの心得として、サイズだけで決めるのではなくもっと慎重に選んで欲しい」。

言われてみると、実にシンプルである。当然、グラブをはめたフィーリングも人それぞれ違う。身長とかも違うわけだから・・・。例えば身長180センチを超える大型ショートと170センチのショートでは全く感覚が違ってくる。
「大型ショートの選手がショート用のグラブを買ったところで、やっぱりグラブは小さいとなりますよね。またショート用でもセカンドやってもいいいと思うし、サードでもコンパクトな選手だったらショート用を使ってもいいっていう感覚ですね。

基本的にセカンドは浅くて球離れが良い、サードは大きめで深くてがっちり取れる、ショートはその中間くらいで逆シングルでの捕球があるからやや深め。それは基本として提示していますが、サードでも素早いプレーをしたい選手はショート用のやや深めのグラブを使ったらいい。ショートでも素早いプレーをしたい選手はセカンド用を使っても、私は構わないと思う。そういうところがグラブ選びでアドバイスできるところだと思います」。
自分自身、一番操作しやすいグラブを選ぶ。この点をもう一度グラブを選ぶ時に見直してもよいのではないだろうか。

そして、もう一つ、グラブを選ぶ時に重要になってくるのが、グラブの耐久性である。
特に高校生の場合、ほぼ毎日グラブを使用するので、耐久性は重要である。
日高氏の考える耐久性とは、グラブを買ってからヘタるまでの耐久性ではなく、実際にグラブが良い状態で使用できる期間がどれだけ長いかどうかということ。
プロと違い、何個もグラブを使いまわせる余裕もないのが球児達の現実だ。
そこで、いかにグラブを良い状態で長持ちさせるのか、これもグラブ選びでは重要になってくる。
そうなると必然的にグラブの素材にも目を向けることは必要になってくる。
グラブにも適材適所の素材を使うことで、操作性、耐久性が変わってくると日高氏は言う。

__適材適所__
グラブにおいてもベストな布陣が絶対あると思うんですよ。革にはキップとステアがある、芯にもウールと化繊がある、裏革もソフトステアと共革がある。いろんな組み合わせが可能な中で、最強の布陣を組もうとしています」。

※用語説明
キップ・・・子牛の革で特徴は柔らかい、しなやか、きれい、軽いし、キメも細やか。その反面もろい。
ステア・・・大人の牛の革、粗くて繊維がつまっていて強い。

日高氏の考える最強の組み合わせは

日高氏の考える最強の組み合わせは

「高級感があるとか、キメが細かいことからキップが良いと考える人も多いようですが、我々は、野手用のグラブにはステアを使っています。捕球回数が多いし、オイルを塗る人が多いので。ということはキップだと、僕の経験上、グラブが使いやすく仕上がった頃に革が裂けてくるんですね。だからここまで育てたのに、破れてきたから使えなくなったといのが多い。
そのため基本的に大人の牛の皮であるステアレザーを使っています。で、グラブの芯についてはウール(羊毛)を使っているんですよ。化繊は基本的に化学繊維なので一定方向にしか曲がらないです。ウールは天然素材なのでねじれもいけるんですよ。化繊もいけるけど硬いから反発してしまう。野手って人によっていろんな型のつけ方があるでしょ。ちょっとポケットの位置をずらすとか・・・。そういうときに化繊よりウールの方が対応しやすいんですよ。
メリットとしては、いろいろな人のいろいろな型に対応できる。しかも柔らかく仕上がりますよね。骨が硬いよりはある程度柔らかい方が、型はつけやすいですよね。あと、打球を捕った瞬間を考えても骨が硬いとボールを弾くイメージがあるでしょ。でもウールだとひねったりするから、多少ボールが遊んだりしても打球を吸収してくれるっていう感覚が強いと思うんですよ」。

なるほどと今回も思うことが沢山あった。
グラブ選びも知れば知るほど深いし、面白い。
皆さんも自分のプレーを支えてくれる大切なグラブを購入する際には、少し考えてもいいのではないだろうか。

グラブ選びの日高氏のワンポイントアドバイス

■ ○○用とかにとらわれずに一番自分が使いやすいグラブを使おう。
■ グラブを長く使うためにも耐久性に目を向けてみよう。

プロフィール

日高泰也
  • 生年月日:1974年10月1日
  • 出身地:三重県
  • 仕事のモットー:不動心(流行、一過性のものにとらわれず、基本を忠実に)
  • プレイヤーに一言:
    同じ型でもひとつひとつ違う感覚のあるグラブ。 自然界の材料で全工程手作業で作製されるものだからです。 だから、購入するときもじっくり自分にあうものを選んでください。 また、高価なものであり、二度と同じものにめぐり合えないかも 知れません。気に入ったグラブは大切に使用してください。
  • Wilsonが提案する、「内野手用グラブ」
日高泰也 氏

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